アトピーについて考えてみよう!
人間には外界の異物から体を守るために、異物が体内に入るとそれを取り除こうとする働きがあります。この働きを免疫と言い、本来は身体を守る大切な役割を果たしてくれています。アレルギー反応によって起こる代表的な病気はアトピー性皮膚炎、ぜんそく、アレルギー性鼻炎や結膜炎があります。
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり、悪くなったり、繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎は体質に加えて、食物やダニ、ハウスダストなどの原因となる物質、汗やホコリ、精神的ストレスなどの悪化要因が複合して生じます。原因物質は人により、また年齢によって異なります。原因が不明の場合も少なくありません。原因がはっきりしている場合は根治療法も可能ですが、原因が不明な場合は薬による対症療法になります。しかし、いずれにしても悪化要因から身を守ることは大切なことですから日常生活での注意点を守るようにしましょう。
スキンケア
湿疹のある皮膚は汚れやすく、細菌が繁殖しやすいものです。またかゆみのために皮膚に傷をつければ症状を悪化させます。皮膚を清潔にし、症状を悪化させる刺激を避けることで、かゆみを押さえ二次感染を予防しましょう。
スキンケアの基本
(1)皮膚を清潔に保つ(ぬるめの入浴、石けんの泡でやさしく洗う)
(2)皮膚への刺激を避ける(汗、汚れ、紫外線、衣類、アレルゲン、細菌)
(3)皮膚の保湿
生後まもなく、より充分な保湿を続けた乳児は、有意に湿疹の発症が少なかったという報告があります。
- つめを切る。
短いつめにしましょう。 - 衣類からの刺激にも注意しましょう。
硬くてゴワゴワしたものは皮膚を刺激します。袖口やパンツのゴムもゆるめに。素材は木綿が最適です。 - 洗剤にも気配りをしましょう。
量は表示を守り、多すぎないよう。すすぎをしっかり。蛍光漂白剤、柔軟剤、酵素を含む洗剤は避けた方が良いでしょう。 - ヘアスタイルも考えましょう。
毛先があたらないようなヘアスタイルで。特に首筋に当たらないように。散髪したらできるだけ早く洗髪してあげましょう。
環境整備(悪化要因対策)
- こまめに掃除をしましょう。
ダニ、ほこり、ペットの毛やフケなど原因となる要因を除去し、アトピー性皮膚炎の発生や悪化を防止しましょう。
ストレス対策
アトピー症状は波があります。
症状に一喜一憂すれば親の神経が疲れます。アトピーの症状には、親子ともに神経を使うことが多いため、お母さんがイライラしやすいのは理解できますが、お母さんのストレスをうまく発散させ、イライラを子どもに向けない工夫をしましょう。
また、かゆみを伴う場合、「かいてダメ」と叱ってしまいがちですが、子どものストレスになるので、かかなかったことを褒めてあげるのも必要です。
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- 2017年12月20日
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