銅造十一面観音菩薩坐像懸仏【どうぞうじゅういちめんかんのんぼさつざぞうかけぼとけ】
指定種別 | 市指定 重要文化財(工芸品) |
指定年月日 | 平成24年1月26日 |
所在地 | 白河市中田(白河市歴史民俗資料館寄託) |
所有者・管理者 | 矢越神社・釜子区 |
白河市内東釜子の矢越神社に伝来した銅造の懸仏である。
鏡板裏面の刻銘(一部欠失)からは、江戸時代の宝永2年(1705)に補修が行われたことがうかがえる。銘文と懸仏の状態より、本体像は当初からのもので、それ以外の鏡板・華瓶は江戸時代に修復されたものと推測される。
本体像から推測される当初の懸仏の制作年代については、造形が明確で、衣の襞の鋳出も立体的にあらわされており、足部も写実的であることから、鎌倉時代後期(13世紀後半)と考えられる。
形状としては、鏡面周縁に覆輪を巻き、覆輪の最外周に一条の紐をめぐらし、中央に本体像である十一面観音菩薩坐像、左右下方に華瓶をつける。鏡板・本体像・華瓶ともに銅造一鋳で、それぞれ鏡板に鋲で留められている。本体像は頭上に十一面を戴き、左手は華瓶をとり、右手は膝上に置かれている。右肩・右腕には覆肩衣(ふくけんえ)をかけ、左肩を覆う衲衣(のうえ)をつけ、結跏趺坐(けっかふざ)する。
過去の火災による鏡板下部の歪みや、一部欠失があるものの、鎌倉時代の資料が少ない中で、白河の中世の歴史をうかがうことのできる貴重な資料である。
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メールでのお問い合わせはこちら- 2016年2月23日
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