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平成22年12月議員提出議案

議員提出議案議決結果 ~平成22年12月定例会

案件番号案件名議決結果
意見書案16 環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP)協議への拙速な参加を行なわないことを求める意見書 22.12.16
原案可決
(全会一致)
意見書案17 患者の窓口負担大幅軽減を求める意見書 22.12.16
原案可決
(全会一致)
意見書案18 肺炎球菌ワクチン(23価ワクチン)への公費助成に関する意見書 22.12.16
原案可決
(全会一致)
意見書案19 外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書 22.12.16
原案可決
(賛成多数)
意見書案20 尖閣諸島海域における中国漁船の領海侵犯に関する意見書 22.12.16
原案可決
(賛成多数)

議案の内容

環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP)協議への拙速な参加を行なわないことを求める意見書

我が国の農林水産業を取り巻く状況は、担い手の減少や高齢化の進行、耕作放棄地の増加、価格の低迷など構造的な課題を抱え非常に厳しい状況にある中で、政府は、「平成の開国」と称してTPPの協議に参加しようとしているが、協議に参加をした場合5年以内で全ての関税を撤廃し、例外なき完全自由化をしなくてはならず、協定を結んだ場合一番影響を受けるのが農業である。
TPPへの日本の参加に関して、政府内では「日本のGDP(国内総生産)における第1次産業の割合は1.5%である。1.5%を守るために98.5%のかなりの部分が犠牲になっている。」との見解を示しているが、農業は環境保全から食料の安定供給まで、国として最も重要な、国民の安全で安心な生活を守るための基幹産業であり、果たす役割にははかり知れないものがある。
農林水産省では、TPPに参加した場合の農業に及ぼす影響として、農業生産は4.1兆円減、食料自給率は40%から14%へ低下、農業の多面的機能では3.7兆円喪失、国内総生産では7.9兆円減、雇用は340万人減と試算しており、数字でもその影響の大きさが示されている。
日本農業の姿として、「強い農業・農家にするために規模の拡大・6次産業化」が必須条件のように言われているが、国内の農地では、地形的条件や作物により規模拡大をして経営が成り立つ人や地域は限られており、無理な規模拡大は、強い農業・農家を育てるどころか、日本農業・農地の崩壊、農家経営の破綻を招いてしまう。また、日本農業・農家が存続できるだけの6次産業化は現実的に難しいものがある。まして、規模拡大を最大の農業防衛策と考えている安直な農政では、貿易完全自由化の荒海に乗り出すことは極めて危険なかけとしか言えない。まずは農家の担い手が育つ、農業政策をしっかりと構築する事が先決である。
よって、現時点でのTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)協議参加については、下記のとおり慎重に検討すべきであることを強く要望する。



1.関税撤廃が原則である環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加は国内農業への甚大な影響を与えるのみならず、我が国の食糧事情を極めて危険な状況に追い込み、食料安全保障の観点か国存続を危うくする可性が高いため、拙速な協議への参加を行なわないこと。
2.環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の、メリット・デメリットについて、国会において慎重に審議するとともに、国民に対して詳細な情報提供を行なうこと。
3.国際貿易交渉に当たっては、「多様な農業の共存」を基本理念として、食料 安全保障の確保や農業の多面的機能の発揮を図るなど、日本提案の実現を目指すというこれまでの基本方針を堅持し、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なわないように対応すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年12月16日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、
農林水産大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、国家戦略担当大臣 あて

福島県白河市議会議長 十文字 忠一

患者の窓口負担大幅軽減を求める意見書

深刻な不況と、働く人の3分の1が非正規職員というもとで、医療費の窓口負担を払えない人、経済的理由で受診を控える人がふえている。
日本医療政策機構の「日本の医療に関する世論調査」、東大医科学研究所のがんや糖尿病などの慢性疾患の調査でも、若年層、低所得者での医療費負担に対する不安の増加、長期にわたって医療費負担を強いられる難病患者、慢性疾患患者の過重負担などのもとで、経済的理由による治療中断、受診の手控えがふえ、歯科の分野での受診抑制も顕著となっており、医療費の窓口負担引き下げは緊急課題であることが明確になっている。
福島県内の医療機関からも、「無保険者、短期保険者が目立つようになった」「生活保護の人がふえている」「ひどくなるまで受診しない人がいる」「病状が悪化するまで受診しない人がいる」「重症患者が増加している感じ」「痛みが引かないまま中断にしてしまう患者が多い」との声が寄せられており、経済的負担が患者を治療から遠ざけている実態が明らかになっている。
このまま受診抑制が続けば、症状が悪化して取り返しのつかない事態になる心配がある。またこの状況を放置すれば、多くの国民の健康保持に支障を来すだけでなく、国民医療費の節減にも逆行することになる。
患者負担が重くて医療を受けられない状態では国民皆保険とはいえない。
アメリカを除く欧米の先進国では医療の窓口負担は無料が当たり前であり、今日の情勢のもと、直ちに実施すべき措置として窓口の原則3割負担から2割、出来れば1割負担への引き下げ、子どもと高齢者の無料化の実現など、住民、患者さんが費用の心配無く安心して受診できるよう次の事項の実現を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

1.患者窓口負担を大幅に軽減すること。

平成22年12月16日


内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、総務大臣、衆議院議長、参議院議長 あて

福島県白河市議会議長 十文字 忠一

肺炎球菌ワクチン(23価ワクチン)への公費助成に関する意見書

肺炎は全死亡原因中で依然第4位を占めており、特に高齢者にとって肺炎は深刻な問題である。また肺炎による死亡率は高齢になるほど増加する傾向がみられる。
肺炎の予防が可能なものとして、インフルエンザウイルスのワクチン並びに肺炎球菌ワクチンがある。インフルエンザウイルス、肺炎球菌は呼吸器感染症における代表的病原体である。肺炎球菌は肺炎のみならず敗血症、骨髄炎といった致死率の高い合併症を起こしやすいのである。また、この両者は呼吸器感染症の中ではワクチンによる予防が可能な数少ない病原体でもある。
欧米では、この両者に対するワクチン接種が強く奨励され、高齢者、慢性呼吸器疾患、糖尿病等のハイリスクグループに対する接種率を伸ばそうとする取り組みが国家レベルで行われている。実際、米国では既に65歳以上の高齢者の半数以上が、両ワクチンの接種を受けている。この点で先進諸国の中で日本のワクチン行政のおくれが指摘されている。
高齢者はインフルエンザウイルスと肺炎球菌に罹患するリスクが高く、インフルエンザ罹患後の肺炎に、肺炎球菌が関与する可能性が高いとされている。実際、インフルエンザワクチンと肺炎球菌両ワクチンを併用して接種することにより高い有用性が報告されている。近年ペニシリン耐性肺炎球菌等薬剤耐性化が進んでおり、事前にワクチンによる予防が重要視されている。
ワクチン接種の向上には、重要性の認識のさらなる徹底と、公費助成等社会的援助体制が欠かせない。インフルエンザのワクチンは高齢者に対し、2001年より公的援助がなされている。これに肺炎球菌ワクチンを追加することにより、さらに高齢者の肺炎による死亡、長期入院を減少させることになり、医療費を削減し、地域住民の健康福祉の向上につながることから、次の事項の実現を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

1.高齢者への肺炎球菌ワクチン予防接種を予防接種法による「定期接種」に位置づけ、国による助成を行うこと。

平成22年12月16日

内閣総理大臣、厚生労働大臣、総務大臣、財務大臣、 衆議院議長、参議院議長、福島県知事 あて

福島県白河市議会議長 十文字 忠一

外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書

我が国においては、大切な国土資源である土地に関して、外国人や外国法人が日本人と同様に土地所有ができることとなっている。一方、他のアジア諸国では一部の国を除き外国人や外国法人の土地所有については、地域を限定したり事前許可制とするなどの制限を課している状況にある。
近年、ゴルフ場、スキー場、温泉施設などへ外国資本が進出しており、北海道においては水源機能を持つ保安林を含む土地が中国資本に買収されている。また、長崎県対馬では自衛隊施設に隣接する土地が韓国資本によって購入されたことが判明している。このような投資による土地所有が無制限に拡大するようなことになれば、日本国民の安全保障や国土保全の観点から国家基盤を揺るがす問題に発展しかねないとの危惧がある。
特に、我が国にとって国土の7割を占める森林は成熟期を迎え、木材資源、水源の確保、二酸化炭素の排出量取引に利用できる有益な資源となっているが、国内林業が長期に停滞する中安価で取引されており、これらの所有権が外国資本を含むさまざまな主体に買収されれば、森林の適切な管理が一層困難となり、良好な環境づくりに影響を及ぼすことが懸念される。
よって、国においては、日本国民の安全保障や国土保全の観点から、日本国民の共有の資産である土地に関して、外国資本等による土地の売買の規制や適切な管理体制を構築するための法整備に取り組むよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年12月16日

参議院議長、衆議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、外務大臣、国土交通大臣、内閣官房長官 あて

福島県白河市議会議長 十文字 忠一

尖閣諸島海域における中国漁船の領海侵犯に関する意見書

去る9月7日、尖閣諸島の久場島沖の日本領海内において、海上保安庁の巡視船が違法操業をしていた中国漁船を発見、停船命令を発したが、漁船はこれを無視して巡視船に対し衝突を繰り返したため、船長以下を公務執行妨害罪で逮捕した。我が国が、領海を侵犯した中国漁船を拿捕し、国内法に基づいて船長等を逮捕したことは、国際法上認められた領海保全権の行使であり、純然たる内政事項である。
しかるに9月24日、那覇地検は中国漁船の船長を、突然、処分保留のまま釈放した。今後の日中関係を考慮した地検独自の判断によるものとされているが、もしそうであるならば、法と証拠のみに基づいて業務を遂行する検察の立場を甚だしく逸脱したものであり、司法権の独立を毀損した法治国家にあるまじき行為である。
かかる領土・領海の主権を放棄するに等しい政府の姿勢は、中国政府に誤ったメッセージを送り、中国の覇権政策に悩んでいるASEAN諸国を失望させ、国際社会における我が国の地位を低下させたと言わねばならない。政府は速やかに事件発生時に記録されたビデオテープを公開し、中国漁船の違法行為を明らかにするとともに、今後、毅然として領海侵犯の取り締まりに当ることを内外に宣言することが必要である。
尖閣諸島海域では、中国漁船の違法操業が常態化しており、領海侵犯がさらに公然化するおそれがあるばかりでなく、尖閣諸島への強行上陸の危険さえある。政府はこうした事態を未然に防止するため、速やかに自衛隊を尖閣諸島及び周辺地域に配備することを決断しなければならない。
今回の事件は、一過性のものではない。中国は、今後さらに尖閣領有化の目的を達成するため、これまで以上に威圧的な態度をとってくることは疑いない。我が国政府が尖閣問題で毅然たる態度をとるため、日本国民が今こそ一致団結して領土保全の努力と覚悟を固めることが望まれる。
以上の趣旨から下記事項について強く要望する。

1.我が国の中国漁船拿捕の正当性を明らかにするため、事件発生時に記録されたビデオテープを、政府の責任において速やかに公開すること。
2.外務省は、竹島と同様、尖閣諸島が我が国固有の領土であることを明らかにする公正な資料を開示し、広く国際社会にアピールすること。
3.海上保安庁の警備体制を強化し、今後とも中国漁船による領海侵犯には毅然とした取締りを行なうこと。
4.領土・領海警備体制の強化のため、自衛隊を尖閣諸島及び周辺海域、さらに与那国島に配備するとともに、領土・領海警備を法的に根拠付ける領域警備法を早急に制定すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年12月16日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、外務大臣、国土交通大臣、内閣官房長官 あて

福島県白河市議会議長 十文字 忠一

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