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木造釈迦如来坐像【もくぞうしゃかにょらいざぞう】

木造釈迦如来坐像(大統寺)

指定種別 県指定 重要文化財(彫刻)
指定年月日 平成31年4月19日
所在地 白河市馬町
所有者 大統寺
大きさ 像高83.2cm

釈迦如来は釈迦が出家して悟りを開いた姿をあらわしたものである。

本像は、寄木造で玉眼を入れる。垂髻(すいけい)(※1)を結い、宝冠を戴いていた跡が残る。衣には土紋(どもん)(※2)を施す。衣部に土紋を施す像は、県内に類例が少なく、白河市では本像にのみ確認される。これらは中国宋代美術の影響によって鎌倉時代後半に流行したもので、本像も宋風の顕著な像である。

切れ長の眼、面長でしまりのある顔貌、調和のとれた体躯など、洗練された造形から、南北朝時代(14世紀後半)に中央(鎌倉)で造られた像と考えられる。

本像が伝来した大統寺は中世に白河周辺を治めた白河結城家の当主、顕朝(あきとも)が父の菩提を弔うために康永元年(1342)に再建したと伝わる。作風から推定される制作年代(14世紀後半)と重なることから、結城家による造像とも推察される。

※1.垂髻(すいけい)・・・束ねて垂れ下げた髪
※2.土紋(どもん) ・・・花や葉の文様を粘土で型抜きし、貼りつける装飾技法

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