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黒船の図版木【くろふねのずはんぎ】

黒船図版木

指定種別 市指定 重要文化財(歴史資料)
指定年月日 昭和36年3月7日
所在地  
所有者 個人
大きさ 縦54cm 横41cm

松平定信が老中首座であった寛政2年(1790)にアメリカの軍艦が紀州に漂着するなど、世上は騒然としていた。この時定信は、「異国船漂着候はば、何れにも手当て致し先づ船具は取上げ置、長崎表へ送遣候云々」と各大名に布達するとともに、沿岸の諸侯に海岸防備を一日も揺がさないよう命じている。

定信はこの版木を作らせ、国家の平安なことを心から願って、この絵を摺って広く配ったものである。原画は谷文晁によって描かれたもので、定信が自ら「此船のよるてふことを夢のまも、忘れぬは世の宝也けり」と讃をしている。

この版木は松平家が、桑名へ移封の時に書肆(しょし)前川伝吉に与えたもので、桜材である。

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